エッセンスの燦めきと歓び真実はいつも直観の一閃のうちにとらえられ、光りはいつも断章の短い影からあらわれるものだ。澁澤さんの手によって蒐集された燦めくような文章の数々は、古今東西の時空から、余計なものの混じらぬ強烈なエッセンスだけを運んでくる。蜜蜂が花々をわたるように、詩人が酒神を求め歩くように、これらの断章を自由に拾い読みしていくことは、またなんという歓びだろう。