確認しておきたいのは、麻生さんの作品の基本的なトーンが常に前向きな姿勢にあるといふことだ。これは何も麻生さんが楽々と人生を過ごしてこられたからではない。当然、様々な困難を抱へながら生きてこられた筈である。しかし歌にするときの選択として明るい面から切り取りたいといふ姿勢がこれらの作品を作らせてきたのである。改めて、その姿勢の尊さを思つてゐるところである。