西条眞紀は抒情という一本道を、ただひたすら歩いてきた人である。自己の資質が抒情にあることを知悉していただけに、幾人もの閨秀作家を輩出させた川上三太郎の直門で、詩性川柳の第一人者片柳哲郎に傾倒し、師事するのは自明の理だった。師片柳哲郎に導かれつつ、西条眞紀は抒情という美しい花を現代川柳の荒野にしめやかに咲かせたのである。