稀有の文人を父に持つという僥倖に恵まれた吉田暁子さんは、過ぎ去った人生の時間をいつくしみつつ、穏やかな情愛と敬意に満ちた美しいポートレートを描き上げた。この端正で静謐な文章にみなぎる豊かな想いは、わたしたちをうたずにいない。