魂の底に届くようなひぐらしの声、その声に包まれていると、近頃はわが行く末を思うことがある。こののちのことは知る由もないが、もう何が起きてもおかしくないほどに年を重ねることができたのである。それを喜びとして、まずは「ひぐらしの森」を編もうと思い立った。