子と犬を清明の野に放ちけり拙い句群ではあるが、自分の自分なりに生きてきた証の一部である。一句一句に思い出があり、その時々の気持ちの表れがある。特に、辛く悲しく苦しい時期の心の支えのひとつに俳句があったことは否定できない。加齢にともない、感性などは若い時に比べれば鈍くなっていることは事実だが、今後も精一杯句作を続け、生涯の一句を成したいという気持は消えていない。