女房とはだれか。王朝物語を支える、高貴な姫君に寄り添う影たち。秘密と誤解と噂こそが、女房を仲立ちに、物語を周縁から突き動かす。女房は物語作者でもあった。この繊細な読み解きの書から、大きな波紋が広がっていく。