店に入るか、どうかの決め手となる食品サンプル。それは日本で生まれたユニークな食のメディアである。なぜ、日本で食品サンプルが誕生したのか? いつ誰が発明したのか? 最初に食品サンプルを並べた店はどこか?このような食品サンプルの謎を解き明かすのが本書である。その謎解きの過程で、読者は良質の推理小説を読んでいるような気分を味わうことができる。10年かけて全国を回り、韓国、中国にまで足をのばして取材して書いた、博士論文級の労作である。