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推薦者: 鵜飼哲

一九七〇年代生まれの在日朝鮮人三世である著者の呉世宗氏は、民族と世代によって私とは二重に隔絶した読者として金時鐘の作品と出会い、長い時間をかけて向き合ってきた。本書を読んでまず打たれるのは、金時鐘のテクストを前にして著者が示す、徹底的に方法的であろうとする態度である。著者は直観的な印象批評を禁欲的なまでに排しつつ、金時鐘を<読む>ための特別な解読装置を、労を厭わず、周到に、緻密に組み立ててゆく。

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