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推薦者: 梅原猛

…エリアーデの小説は、ふつう幻想小説といわれる。訳されたものも少なく、ほとんど読まれていないが、二、三冊の日本語翻訳の小説を読んだが、大変面白かった。少なくとも私には、彼の宗教学の著書より、むしろ、彼のいいたいことがよく分かる気がした。  私は、この小説を読んで、上田秋成の小説を思い出したが、秋成の小説より、もっと構成が論理的であり、手がこんでいる。これは世界的に見て、かなり高い水準にある小説だと思うが、問題はなぜ宗教学者エリアーデが、このような幻想小説、あるいは怪奇小説を書きつづけねばならなかったかということである。…

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