絵画のなかで幻想的に描くことほどむずかしいものはないと常日頃おもっています。少々感ちがいをして、情緒的になったり少女趣味に陥ったりする場合が多い。梅木英治の最近の作品を見ると、目をみはるほどそれらを遠くに追いやって、彼独自の世界にどんどんのめり込んでいくようです。誰も入ることのできない、あのマニエル・ノワールの世界に……。