誰もが高校に行くことが当たり前の時代になって久しい。だが、それはいかにして可能になったのか。その結果、日本社会に何が起きたのか。本書は、戦後高校教育の拡大過程を緻密なデータ分析によって丹念にたどり、その多様なダイナミズムを明らかにする。手堅い実証研究の積み重ねが、戦後教育の「常識」の見直しに迫る労作である。