本書に登場する八人は、いずれもプルーストの熱心な読者であり、プルーストに関する本を書いたり、映像作品を制作したりしている練達の読み手・書き手ばかりだ。その八人が、一般の読者に向けてわかりやすい語り口で、『失われた時を求めて』という小説の主題や魅力、読みどころを語っている。本書は、すでにこの長い長い小説を読破したという方はもちろん、現在読んでいる最中の方、あるいはこれから挑戦しようと思っている方にとって、格好の道案内、入門書となるだろう。