「工夫して 心ととのえ 己が手に 花鳥風月 みな料理なり」と詠まれた貞一老。料理と器としつらえ、主人のお人柄は、そこに一つになっていました。味覚だけにとどまらない、本当においしい料理でした。語りの奥ゆかしさに、一つの道を極められた白吉兆翁の豊かな心を、偲びます。