著者の古代探究は、その好奇心の旺盛さと探究力の強靱さにおいて、まさに瞠目すべきものがある。史料を博捜し、自他に対して一切の手抜きを許すことなく、つねに白兵戦をもって臨む。史家の弱点を指摘する犀利な論法は本書においても充分に発揮され、私を脱帽させずにはおかない。本書によって神社研究が飛躍的な展開をみせることは疑いない。