著者のたゆみない研究が実り、歴史の狭間に埋もれかかった重要な人物、コロンタイとルナチャルスキーが蘇った。スターリンの恐怖政治を生き抜くことができたのはなぜか。ふたりの運命を語る著者の問題意識は明確だ。主人公を温かい筆致で描くこの伝記は、同時に、スターリンの知られざる一面を照射している。著者は説く。「スターリンは単なる暴君ではなかった」と。本当だろうか? 本文を読んでいただければ、すべてが明らかになろう。