同時代の日本の学校制度とはちがう心の交流がここに働いていた。 法律の上で、九十年間の隔離政策を廃止されたあとも、すぐさまに、社会の同年輩の文化と地続きになることはむずかしい。社会から受け入れられてゆく途上で、幾山河もこれから越えねばならず、その際に、自分自身の強い自我が、日本社会の均質的な自我に押し負けないで生きつづけてゆくことを祈る。