「精神」とは、肉体を有するこの小さな一個の自己が、自国の歴史の或る一瞬に自己を燃焼するとき、そこに閃めく一条の光である。そして著者は、いかなる高名な哲学者や歴史家や歴史上の偉人に対しても、怖めず臆せず、無言のうちにかういふ問ひを突きつけてゐるのであるお前は、本当に「精神」を見ようとしてゐるのか? お前は本当に「精神」をもつて生きたのか?