大正時代初期カから興った、「民衆詩」 と称された口語自由詩運動の発生と流れにスポットライトを当て、豊富な資料を読み込んで、文語定型詩から口語自由詩ヘの転換を促した功績を述べています。 けれど新旧どちらにも偏る批判的な姿勢はと らず、詩人それぞれの生きた時代、立場を肯定的に掬いあげ て論じる姿勢に好感が持てます。 現代詩の鏡として、民衆詩派詩人の果たした役割の今日的意義も鮮やかに映し出しています。