ここには、母親が赤ん坊を抱く様子の詳細な観察がある。そこからの発達の新たな見方が提起される。身体的関係の自己組織化が、データに基づきつつ、大胆な展開を受けて理論化される。データと理論の拮抗と相互刺激、そこから生み出される新たな展望が鮮やかだ。確かに「若書き」である。だが、その挑戦は実に刺激的だ。その挑戦を受けていくであろう多くの若き研究者の先陣にある本書を読んでほしい。まさに、後世畏るべし。