三〇代から四〇代にかけては、いわば全力疾走の状態にあった。走り続けた日々は、先の五冊の歌集に結晶しているはずだ。 五〇代は、来し方をふり返りながら、自らの態勢を立て直そうとして来たと言えるだろう。本歌集は、その軌跡である。