ハトは平和のメタファー(暗喩)になりうる。でもハトはスズメのメタファーにはなりえない。つまり豊穣な表現のためには、素材とテーマとの間に距離が必要だ。でも離れすぎてはエッジを失う。巨大な三基の湯沸かし器。激しく揺さぶられながら上辺は平穏な日常。見えてしまう彼女。まったく見えない多くの人たち。これらの素材によって西島は、今の日本社会における究極のメタファーを呈示する。