写すときに在る下薗さんの自意識と、写されるときのさまざまな人々の持つ自意識とが、何百分の一秒という瞬間にスパークし、永遠性を帯びて写し止まる。そして、そこに立ち露れるイメージは、もはや意味とも美感とも無縁な<異界>そのものである。下薗さんの作品には、名伏しがたい不条理感がただよっている。