酒場に貴賤はない。伝統と格式を誇る名店も、場末の立ち飲み屋やそれこそチェーン居酒屋であったとしても、同じように酒と肴に向かいあえるのがいい酒飲みなんだと思う。パリッコはどこへ行っても楽しく酒を飲む術を知っている、そんな正しい酔っぱらいだ。安い居酒屋にちょっと美味しいつまみがあると「この飲み屋、東海林さだおさんならなんと評するかな?」と考えてしまうのだけど、この本を読めば「この店、パリッコならなんと評するかな?」と思うようになるだろう。パリッコこそ、酒場エッセイのニュー・スタンダードだ!