ごく「普通の日本映画」なんてやつには、いまや、めったなことではお目にかかれません。その寂しさを噛みしめつつ思うのですが、北野武の映画の衝撃性はまさにそのことと深く関わっているのではないでしょうか。……中略……北野武作品がいっさいを脱ぎ捨てて輝く「裸の映画」であることによって、ごろごろあっていいはずの「普通の日本映画」が見当らなくなっているという事実があらためて衝撃的に際立ってくる、と思われる