平方イコルスンが初めて長編で紡ぎだした世界。そこに生み落とされた青い瑞々しさの正体は、短編で発揮されていた言葉、空気、描写などの鋭い表現能力の更にその奥にある平方イコルスンという人間そのものが濃く現れたのではないかと勝手に感じ、この愛おしい世界に感動している。今もこんな漫画があることに幸福を覚える。