生に向き合うことが、何をもたらすかなのである。一人の生を見据えたこの眼差に、歌集『白き峰々』を読んで注意しないわけにはいかなかった。この思いは、作者一人の問題であると同時に、アララギ終焉の陰が引いているとみるべきなのであろう。