祖母と孫の家庭的な交流、ほんわかする恋愛模様、本格ミステリとしての完成度、社会派テーマが持つ苦み。それらすべてを味わった上で、大きなサプライズがあるという、なんとも芳醇な連作短編集である。著者の技に酔うこと間違いなしだ。