この物語が偉大だったのは、ネットという媒体を使用し、「作者の実体験かも知れない」と読者にフィルターをかけた点にある。今回の単行本化は、物語を抽出し、純粋化させるだろう。作家・富澤南の手腕がためされる一冊であり、今後のエンターテインメント業界を牽引する可能性のある一冊である。