想像力という快楽の翼澁澤龍彦の編んだイメージとエピソードのコレクションには、優美という言葉がふさわしい。書物から書物へと自由に飛びかう、想像力という快楽の翼のはばたく優美な、しかし、時に滑稽であり残酷であり可憐であり驚異でもある古今東西のイメージのアンソロジーについて、私は確信するのである。これは断じて、他の追随を許さぬ群を抜いた、快楽的な宝石箱である、と。