中原昌也は下衆な志を隠し持ったゴリッパな奴らにとても敏感だ。幻想をつくりその価値を押し付けてくる人たちにも鼻が利く。いったい本当に問題なのは何なのか。有用ぶったすべてのものからすっかり解放されているときに、ずっと覚えておきたいような幸福な瞬間が訪れる、という体験を本書の読者は得るだろう