新聞を読まず、世相の移り変りも眼中になく、川崎のアパートをタコツボと称し、そこにチクワをかじって、一年こもって、千枚の『日本夢文学志』を著するかと思うと、片手に神出鬼没、あらゆる芸術畑の根をひっくり返し、芸術百姓に追われながら、東亜のワルプルギスの夜よ、さらに悖りのルツボへと願う徒、それが若冠29歳の彼だ!