みんなで紡いできた“麦の郷織り”、まさに圧巻という他はない。“要求”をタテ糸に、“地域”をヨコ糸に、そのど真ん中に“放っとけやん”が鮮やかに浮かび上がってくる。30年間の足あとに、主人公は誰か、支え合いの実践とは何かが実にやわらかく描き出されている。障害のある人びとへの支えの書として、それを超えた本物の地域づくりの指南書として、ひろく手にとっていただきたい。