吉良さんは15年来の文雅の友である。造形芸術はもちろん、文学や歴史についても心おきなく話し合えるなかで、茶碗はしばしばふたりの話題となる。独特の切り口に満ちた茶碗論であり、おもしろくて新しい日本文化論だ。