出身地や出身大学はさまざまで、東京生まれの東京育ちもいるが、暮れや正月に休みをとることはできない。 こうした労働環境については、採用面接時にすべてディスクローズしている。にもかかわらず、なぜ新卒の若者が蔵人を志望して遠く和歌山までやってくるのだろうか。夜勤を希望して二十四時間業務をこなそうとするのだろうか。それは「ものづくり」の魅力にほかならない。 私たちが目指すのは「ものづくりの理想郷」である。日本全国から集まってきた若い蔵人たちは、自然の恵みと日本の気候風土を土台とした「酒造り」に人生を懸けたいと考えている。 働くとはどういうことなのか、日本のものづくりとは何か。こういう時代だからこそ、若い人たちに向けて一緒に考えてみたい。