松本猛は自らを『新安曇族』と呼んでいる。安曇野に伝わる渡来仏の謎に安曇族の興亡の歴史を重ね合わせて小説を書きたいと語った。まずは彼の夢を応援しようと思った。と同時に安曇族のルーツを追うことは、『日本』と『日本人』の源流をたどり、日韓交流史をひも解いてゆく絶好の題材と考えた。こうして、我々の二人三脚の旅が始まった。