こういう生き方――日本赤軍のリーダー、国際的なテロリストとして、世界に名を轟かせた重信房子に1人の娘がいた。メイである。その生い立ちは、何万人に1人という数奇な運命を背負っていた。28歳まで国籍も持てなかった。日本では犯罪者として捕えられている母を、メイは、「この母の子に生まれたことを誇りに思う」と言い切っている。聡明で、心やさしく、感性の豊かなメイに、誰でも友人として思わず手をさしのべたくなるだろう。そういう魅力をこの手記は持っている。