安部君の手にしたがって、壁に世界が開かれる。壁は運動の限界ではなかった。ここから人間の生活がはじまるのだということを、諸君は承認させられる。諸君がつれ出されていく先は、諸君みずからの生活の可能です。どうしてもこうなって行く。この世界は諸君の精神をつかんではなさない。というのは、そこに諸君の運命が具象化されているからです。