悩みの果てに人生の底にたどり着いてみると、そこでは森羅万象が優しい存在の歌を歌っているのが聴こえてくる。世界が「般若心経」の歌詞で、静かな喜びを歌っているのだ。みうらじゅんはその歌をじっさいに聴いてしまった人である。この本は現代には少なくなったほんものの仏教書だなあ、と私は思うけど。